緋色の野望・血色の闇

あとがき





長々とおつきあい下さいまして有り難うございますm(_ _)m

えー、長編を書く時私はいつもテーマを決めるのですが、今回のテーマは「対決」でした。

というのも、映画ではハウルって一対一の対決はしてないんですよね、戦ってはいるんですがそれは怪物達との戦いのみで、サリマンや荒地の魔女と一対一で戦うってことはしてなくって。

特にサリマンとの対決はハウルの方が避けたので実現しませんでした。

普通の状態ならばまずハウルは対決なんてものは避けるだろうなー、じゃぁ対決ってものをしなければならない状態というのは何だろう? というところからソフィーがタテになったりさらわれたり傷ついたりなんていう話を思いつきました。

ソフィーが傷つくならばそりゃハウルだって傷つくだろう(^▽^)ノ なんてかるーいアイディアから冒頭のシーンが出来ました。

いや書いてて楽しかったですそういうシーン(笑)。そういえばセンチヒでも「Curse(カース)」とか「かごめかごめ」とかのハクがヤバいシーンも喜々として書いていた覚えが……。

ハウルの方が精神的に脆いという印象があるのでより楽しさが増したというか…(^^;;







閑話休題。

カーディナルの存在について。

ハウルを襲う人物として本当ならば映画に出てきた人物を使いたいと思っていたんですが、該当するのがサリマン先生くらいしかいなくって(汗)。

サリマン先生が出てきたら全面戦争になりそうで収拾がつかなくなるので、オリジナルキャラクターを使う事になりました。

こういう存在はもの凄く嫌われるかもの凄く好かれるかのどちらかで、映画のキャラクターにそういう印象を植え付けるのもまずいかなとも思いましたし。

カーディナル、という名はそのまま「深紅色」という意味の言葉からとりました。「枢機卿」という意味もありますがそれはとりあえず無視の方向で……。

カーディナルの性格はいわゆるひがみ屋さんでしょうか。近くにいたのがハウルみたいなのだったらどんなに良い子でもひがみたくもなりそうですが、それに巻き込まれたソフィーは本当に良い迷惑としか良いようがないですよね。

しかし或る意味行き着くところまでイッちゃってたカーディナル、何か「こういう奴気に入った!!」と言って下さる方が割と多かったです。ラストで殺さなかったのはそれを反映した訳じゃないのですが、殺してしまうとハウルの繊細な精神では耐えられなさそうな気もしたので……見知った者を自らの手で殺すってのは、後で後悔も深そうです。

個人的に人殺しにはなって欲しくないというのもありましたし………これがハクならためらわずに殺しちゃうんでしょうね。千尋以外は何もいらない! という姿勢がハッキリしてますから。

そういう意味で大切なものはあってもしがらみに縛られて自由になりきれないハウルの行動ってのを書くのが楽しいです。





ええと最後になりましたが。

……皆様お察しの通り、「緋色」というのはカーディナルのこと、「血色」というのはハウルの事を指しています。

さっきも言ったようにカーディナルという色は深紅ですが、緋色にしたのはその方が語呂が良かったからで、決して間違えてる訳ではないんです。本当です(汗)。

血色というのは今回血だらけになっているハウルの比喩ですね。

……ソフィーの方が血まみれな気もしますが(汗)。

という事で、最後まで本当にお付きあい有り難うございました。

最後まで読んでの感想とかまた聞かせて頂ければ幸いです。




八神涼



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